Mistir Library

小さな図書館。ひたすら語ります。

学べるラノベ 白鳥士郎『のうりん』

 どうも、もう一つのブログがとんでもないことになってるMistirです。


それはさておき。
蔵書17冊目。

ライトノベル『のうりん』

いやー。

僕、アニメから入ったんですけど、凄いテンションの頭おかしい(褒め言葉)内容でしたね。
で、原作ですが頭のおかしさはそのまま、作者の入念な取材によって「学べる」ラノベです。アニメでやると時間が足りないから開き直って「学べる」要素が無かったですが。

あとパロディが凄い。一章まるまる彼岸島パロディやったり、三峯徹ネタがあったり……どちらも7巻です。

 

三峯徹に関しては、ググってください。
神様みたいな人です。色んな意味で。いや、むしろ座敷童か……

まあ普通に面白いですよ。

……あれ。
これ以上……書くことない?

結構長いこと習慣で読んでるラノベで、面白いことは面白いんだけど……語りにくいな。
ギャグと農業要素のバランスとか、見事なんだけど……

まあいいや。語りにくい本もある。
今回はこの程度で。

お読みいただきありがとうございます。

 

超アンジャッシュ系ラノベ 葵せきな『ゲーマーズ!』

こんにちは、Mistirです。

蔵書16冊目。

 葵せきなゲーマーズ!』

いやー……
凄い、否、ヤバいラノベに出会ってしまった。

 

アニメ化もされた、ラノベ界隈ではほとんどの人が知ってる(?)有名な作品の『生徒会の一存』作者が書いた作品。 

イラストを比較してみると、モロ「ギャルゲー」って感じの絵だった『生徒会の一存』と比較して、なんというか少女漫画よりの可愛い絵だよね。うん。好きっす。

で。中身。
まずは「ヤバくない」良い点から。
タイトル通り「ゲーマー」が中心なんだけど、描き方がなかなか面白い。

 

「上達すること」を目的とした「意識高いゲーマー」と、「遊ぶことを目的とした」ゲーマー、この二つって異なるものなんだよね。


その辺りの「感覚」や「スタンス」が結構面白く描かれてる。
……まあ、主人公サイドが「遊ぶ」派閥で作者もそっちサイドらしい(後書きで明言してる)ためか、途中でいわゆる「ガチ勢」を(見方によれば)茶化すような描写も含まれてるからそこは人を選ぶかも。


それでも、わりとどっちの内面も丁寧に描かれてるような。
なかなかこういう「スタンスの問題」ってラノベじゃ見かけないから、新鮮。
基本的にコメディなんだけど、内面描写が超丁寧で読んでてはっとすることも多いです。そういう意味じゃラノベ読まない人にもオススメかも。ある程度ゲーム好きじゃないと気持ちが分からない可能性はあるけどね。

あ、ところで。
同じ「ゲーム」小説として、過去記事で触れた『ノーゲーム・ノーライフ』はくくっちゃダメです。

 

アレはいわゆる『ライアーゲーム』とか『カイジ』みたいな、「勝負」としての「ゲーム」で、この『ゲーマーズ!』の「ゲーム」は単純に「テレビゲーム」です。

閑話休題

で、この小説の何が「ヤバイ」か。

第一巻のあとがきで、作者が言ってました。

 ゆったりまったりゲーマーラブコメたる本作は、楽しんで頂けたでしょうか?

……。

ちょっと待て。
いや、確かに「ラブコメ」ではあるのだろう。……だが。

アンジャッシュのコントを数倍めんどくさくしたような五角関係が描かれるラノベ」がゆったりまったり楽しめると!!!???

読んでて何度「めんどくせえええええええ!!」って思ったことか。
アンジャッシュ知らない人はググってください。

 

 

正直、ちょっとびっくりするレベル。読んでもらわないと分からないと思うけど、よくここまで「スレ違い」をめんどくしたな……これを「コメディ」の意図で描いてるなら軽く狂ってるぞ……

そう思ってると、二巻あとがきでフォローが入りました。

世間の一般的な「ラブコメ」が「ラブの合間にコメディ」だとすると、この「ゲーマーズ!」というシリーズは現状「本気でラブを追いかけた結果なぜかコメディ」という意味での「ラブコメ」になっている気がしております。……お、おかしいな、作者的にはそういうつもりじゃなかったんだけどな……。

私の中で当初「ゲーマーズ!」という作品は、ゲーマー達の平和な日常にちょっぴり切ない恋愛が挟まってくる、超爽やか青春小説として起ち上げたつもりだったような……。

……。

いや、気のせいだな、うん。そんな規格からこんな珍作が生まれるはずないもんな。

自覚通り越して「珍作」って認識しちゃってるよこの人!!!! 

 

確実に珍作だけれども。
こんな面倒なラブコメあってたまるか。
面倒くささが一線超えすぎて笑えるはずのところも苦笑いしちゃうわ。

想像つかない人は5倍くらい面倒くさい状況になったアンジャッシュのコントを想像してください。

でも、オモシロさは保証します。
2巻、びっくりしました。既存のラノベ・ラブコメのアンチ成分が大分入ってる気がする……詳しいことは言いませんが、「超オススメ」とだけ言っておきます。
3巻の展開が凄く気になるような圧倒的展開で2巻は終わりました。
うん、面倒くさいものを面倒くさいままにせず、超展開でぶっ放していくのは凄いと思います。ああ、詳しく言いたいけどネタバレになっちゃう!だから是非読んでみてください!

 

ではまた次の本で。
今回も読んで下さりありがとうございました。

宗教的圧倒的手帳術 熊谷正寿『一冊の手帳で夢は必ず叶う』

どもども、Mistirです。
読書録15はこの本。

熊谷正寿『一冊の手帳で夢は必ず叶う』

実は僕、Mistirは文房具オタクの手帳フェチなのだ!!

ということで、手帳術の本に関しては「ビジネス書」ってより、なんつーか……「エンタメ」として読んでます。

それにこの本、電子版はなんと220円。フツーにありがたい。

 

ってことで上の本なんだけど……

うん、GMOの社長、熊谷正寿氏の本なんだけど……

ぶっちゃけていい?

 

この本、ちょっとした狂気に足を踏み入れてる……


というか。
ちょっと引くレベルで徹底した、もうなんというか「手帳術」っつーより強烈過ぎる「自己暗示術」

手帳って「自己暗示」には最強のツールなんだよね。
常に開く必要があって、常に持ち運ぶものだから。

で、さらにぶっちゃけるとさ……
経営者繋がりか知らないけど、この御方と考え方がおそらく近い。
 

もはや、「作者と本を切り離して読むことができない」本のうちの一冊。

例えば、多分『夢に日付を』で言われてることはそんなに「不思議な」「サイコパスじみた」内容じゃない。ただ、徹底的なだけだ。
そう、凄く徹底的。

この『一冊の手帳で夢は必ず叶う』も、徹底的なだけだ。
すっごく徹底的。
どうやって自分に「夢」を認識させるか。
それは凄く合理的で、同時に読んでるだけでちょっと疲れるものだ。

ま、参考にはなるかも……しれない。参考に出来る部分だけ参考にして、あとはエンタメとして楽しむのも良いかもね。


そうだな……参考になるトコロ。
人生は長いから、15年くらい計画立てて、1年程度ズレても誤差の範囲誤差の範囲!」って言い切ってるのは凄く良かったと思う。僕、こういう視点欠けてたなぁ。

 

あと、「人間気付いたら否定する方向に流れちゃうから、感謝の気持ちは努力で得ないといけない」って言ってるのも、良い考え方だと思いました。


後半は自分の会社の話や、仕事術が中心になってくるけど……
「他のトコロでやれや!!!!」って思いました。個人の感想です。

手帳術……関係ないじゃないか……

 

そろそろ面白い小説読みたいなぁ。
次はラノベで更新します。多分。


今回も読んでくれてありがとうございます。

労働観は変えられる? 糸井重里『はたらきたい。』

こんにちはー、Mistirです。

読書録14

中島義道『働くことがイヤな人のための本』

……間違えた!テヘペロ。

稀代の名著なので是非読んでください。また僕も再読して読書録書きます。


で。
……気の進まない今日の本は、こちら。

 糸井重里『はたらきたい。』

 

興味があって、読みたかった本のひとつ。
うん。面白かった。それなりには面白かったよ。うん。

……でもなぁ。
いや、読む前から分かってた、分かってたんだよ。
「この本には普通のサラリーマンは登場しませんよ!」って。

脱サラして漫画家になったしりあがり寿さんは登場してるけど、基本的に「普通の働いてる人」は出てこない。
「普通の働いてる人って何?」って言われると……上手く言えないけど。でも、リクルートの人材アドバイザー、漫画家、ミュージシャン、アーティスト、教授、ミュージシャン……という人たちが、僕らの日常に接した「普通の人」とはさすがに言いがたいだろう。

何度も言うけど、面白くない本ではない。
矢沢永吉の言葉なんて、すげえよ。

そのまま読めるので、「ほぼ日 矢沢永吉」で検索して下さい。

 

……でもなあ。

うん、この気持ちは僕の糸井重里って人に対する感情と、リンクしているのかもしれない。

僕は結構糸井重里って人のことをスゲエって思ってる。
名作、MOTHERシリーズ(有名なゲームです)や『糸井重里バス釣りNo1』(比較するとマイナーなゲームです)が好きだし、色んな本読んでやっぱすげえって思う。

だけどなぁ。
ときおり、「言ってることがキレイ」で嫌になるときがあるんだよ。
「キレイ事」じゃない。「言ってることがキレイ」なんだ。この二つは微妙に違う。
なんというか、言ってることは「確かに!」と思うんだけど……整いすぎてるんだよ、なんというかさ。
それは「教育的なもの」への嫌悪感かもしれない。

どういう意味かわからない人はほぼ日のサイト見てね。

 

本書からも引用を。
例えば、最初に対談するリクルートの人(名前は忘れた)はこう言って、糸井さんもそれに同調するんだ。

 

「人生で一番大事にしてるのは何か」が一番就職で重要

……うーん。
なんかさ、これ聞くと、俺、自分の人生否定された気になるんだよね。

大事にしてるもんなんていっぱいあるよ。例えば美学とか(美学の例:テスト直前、最も忙しい時期、友人にこってり不健康系ラーメンに誘われた場合、何があっても断らない等)。

でも、それだけで生きてるかっつーとやっぱり違うし。

大事にしてるものほど、言葉にできないんじゃねえの?みたいな。
それが就職活動だっていうのなら、やっぱり僕にとって就職活動は害悪でしか無いし。なんかモヤモヤが残る本だ。


これさ。
多分、元々タイトル通り「はたらきたい」人が読む方が良いと思うのよ。
それも……結構強く「働きたい人」が。

僕(ら)みたいな、働くことにそんなに良いイメージだけじゃない人は『働くことがイヤな人のための本』こっち読んだ方がいいよ。

 

これは本当に名著でさ。中島義道最高傑作だと思う。あ、僕中島義道ファンです。


僕にとってやっぱりまだ仕事は「しゃあないもの」なんだよね。
働きたいという気持ちもあるけど、やっぱ働きたくない気持ちもある。
結構な苦労と、ちょっとした喜びと。

まあ、そんなもんじゃろ、というかなんというか。
そんなもんだからこそ、働くことには楽しさがあるんじゃないか、って。


どーも、そういう「そんなもんじゃろ感」が、この本からは一切感じないのだ。
どうも「ハイソな方々」感が拭えない。アーティストや芸人が「クレジットカード作れない」って、自虐風自慢に聞こえちゃうよ……

いや、そりゃもちろんそういった立場の人たちも苦労してるんだろう。
矢沢永吉なんて、僕の数千倍苦労してる。のかもしれない。

だけどなぁ。
僕らが知りたいのは、それなんだろうか?
うーん。


つまるところ、『はたらきたい。』という本はもう少しノリノリで働けるようになってから読んでもいいかもしれないね。

僕はドライでややアンニュイ系女子なので、ちょっと時間がかかりそうだ。
……僕は女子ですよ?シュレディンガーの女子

さて。ジム行って筋トレしてこようかな!
ではまた。

静謐で力強くて少し綺麗な喪失と再生 よしもとばなな『ハードボイルド/ハードラック』

こんにちは、Mistirです。
読書録13

よしもとばなな『ハードボイルド/ハードラック』

実は、よしもとばななの作品を初めて読んだ。

で、感想から言うと……

 

「好きか嫌いかで言えば割と好き、スゲーと思う作品、だけど妙に合わない」

 

って感じ。

なんだろね。淡々と、かつ力強く喪失と再生を描く物語なんだけど、「技巧的に、技巧的な表現を避けている」感じが凄い。

 

彼女は強い人だった。こわいものがない人だった。

なかなかこんなサバサバした書き方ってできないよなぁ。
ポエムっぽくなるかならないかの絶妙なラインをスイスイ走ってる感じ。……なお、ポエムになるならないのラインじゃなくてもういろいろ開き直ったのが村上春樹である。


で。
ストーリーなんだけど、これはあまり言う必要がないかなって思う。
大したストーリーじゃない、正直。
ストーリーの深さは問題じゃない。


この小説で見るべき点は「喪失と再生」っていう一点に尽きるんだろうけど。


多分、合わないとしたらその「再生」が妙に合理的なところなんだろうな。
なんつーかさ。じっくりと「死」の喪失から再生していく、その流れが描かれてるわけだけどさ。
でも妙にね。


……綺麗、なんだ。

 

その「綺麗」さ、「清潔さ」は、本当に素晴らしいと思う。

けどさ。
……綺麗すぎんだよなぁ。僕には。

僕はやっぱり夜の新橋で雑に酒飲んでるくらいがちょうどいいのさ。
っていう。そういう男なんだよ。
そういう、「男」なんだよ。

やっぱさぁ。
この小説の「綺麗さ」、女性的だよ。すごく。
女性作家だから、とかそういうのじゃなくて。綺麗すぎるんだ。

言葉の美しさ。
情景の美しさ。
確かに、この小説はずば抜けてる。


でも僕はさ、ド汚いところでふっと見える綺麗なシーンが好きでさ。
ま、そういう話はまた別のところでしよう。

うん。
清涼で美しい小説ですよ。

でもやっぱり、僕は汚いほうが好きだなあ。

よしもとさんごめん。
ファンの皆さんもごめん。

 

ではまた。

榎宮祐『ノーゲーム・ノーライフ 5』ーーもはや言ったもん勝ち(褒め言葉)を読む

こんにちは、Mistirです。

読書録12

榎宮祐ノーゲーム・ノーライフ 5』 

またノゲノラかよ!!!この読書録!!!
現在12冊中3冊ノゲノラだぞ!!!

……許してください。
最近、頭使う本読むのが疲れるんです……
「資格勉強が忙しいから」とか色々言えるけど……アドラー先生に「読書が面倒になってるっていうだけでしょ」って言われちゃうね。仕方ないね。
まあ、読書が面倒なときはひたすらラノベ読むに限る。

しかも……悔しいけど、やっぱこのラノベおもしれーんだわ。
ついに作者もあとがきで「ハッタリだけ」と認めるほど、ホントに物語はハッタリだけで進んでる。有無を言わさぬ勢いのあるハッタリだけどね。

例えばさぁ。
「主人公は実は凡人」とかそういうこと言われたときに、やっぱり「お……おう?」ってなるんだよ。ノリで言ってるだろ、これ。
でも、「やっぱどうでもいっか!」みたいな勢いで突っ切る、この感じ。
深く考えるな!という強いメッセージ。
勢いが強すぎて納得させられちゃう。

なんというか、デスノートキン肉マンを合わせたようなライトノベルだね。
……例えが悪いか。うん。

 

……これ以上語ることもねーなぁ。
って感じなので、次の読書録から「一度記事を書いたライトノベルの続き」かつ、「語ることがそれほどない」ときには読書録残さないことにします!
せっかくだから、もっとノリノリで記事書きたいからね。


さて、次は何を読みましょうか。
このラノベの続きか、それとも……
『嫌われる勇気』再読するかなぁ。悩む。

榎宮祐『ノーゲーム・ノーライフ 4』ーー熱くなってきた心理戦を読む

Mistirです。
読書録11

榎宮祐ノーゲーム・ノーライフ 4』

うん、良いね。実に良い。

ギャグ、痛々しさ、シメるところはシメる緩急。どれもやっぱり高水準のラノベだと思う。
中学生でこんなん読んだら変な方向に影響されてしまうで。
いや、この歳でも結構来るものあるよ。

まあ普通に面白いです。
読書録終わり!

……って、ラノベの途中の巻の読書録だからこれくらいで終わってもいいんだけど。
せっかくなのでもう少しだけ。

ラノベ特有のメタ表現」って、どこ辺りが起源なんだろう。
この小説だと「エロゲ展開はやめろ!」みたいなセリフ。
序盤に結構多い。主人公、なんやかんやでキモオタだからね。

で、これ冷静に考えると……面白いんだよね。
いや、何が面白いって……


最初はさ、この「メタ表現」、「ただのギャグ」の一種として捉えてよかったと思うんだよ。
銀魂』とか顕著だよね。
漫画の中で「この漫画」って言っちゃうみたいな。

でも……今の「オタク」がさ。
「エロゲ展開キタ!」って現実、特に秋葉原辺りで言ってても……違和感無いよね?

つまり。
「虚構的メタ表現」がいつしか「現実」として通用する表現になって。
つまるところ、「ラノベ特有の痛々しい表現」は、「現実のオタクをありのままに描く写実的表現」になって。

……こんな些細なトコロで、虚構が現実に与える影響を見てしまうわけだ。
ちょっとだけ面白くないっすか?

と、これくらいで終わります。
いつも途方も無い分量の記事書く時間は社会人にはない(迫真)

 

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