Mistir Library

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超アンジャッシュ系ラノベ 葵せきな『ゲーマーズ!』

こんにちは、Mistirです。

蔵書16冊目。

 葵せきなゲーマーズ!』

いやー……
凄い、否、ヤバいラノベに出会ってしまった。

 

アニメ化もされた、ラノベ界隈ではほとんどの人が知ってる(?)有名な作品の『生徒会の一存』作者が書いた作品。 

イラストを比較してみると、モロ「ギャルゲー」って感じの絵だった『生徒会の一存』と比較して、なんというか少女漫画よりの可愛い絵だよね。うん。好きっす。

で。中身。
まずは「ヤバくない」良い点から。
タイトル通り「ゲーマー」が中心なんだけど、描き方がなかなか面白い。

 

「上達すること」を目的とした「意識高いゲーマー」と、「遊ぶことを目的とした」ゲーマー、この二つって異なるものなんだよね。


その辺りの「感覚」や「スタンス」が結構面白く描かれてる。
……まあ、主人公サイドが「遊ぶ」派閥で作者もそっちサイドらしい(後書きで明言してる)ためか、途中でいわゆる「ガチ勢」を(見方によれば)茶化すような描写も含まれてるからそこは人を選ぶかも。


それでも、わりとどっちの内面も丁寧に描かれてるような。
なかなかこういう「スタンスの問題」ってラノベじゃ見かけないから、新鮮。
基本的にコメディなんだけど、内面描写が超丁寧で読んでてはっとすることも多いです。そういう意味じゃラノベ読まない人にもオススメかも。ある程度ゲーム好きじゃないと気持ちが分からない可能性はあるけどね。

あ、ところで。
同じ「ゲーム」小説として、過去記事で触れた『ノーゲーム・ノーライフ』はくくっちゃダメです。

 

アレはいわゆる『ライアーゲーム』とか『カイジ』みたいな、「勝負」としての「ゲーム」で、この『ゲーマーズ!』の「ゲーム」は単純に「テレビゲーム」です。

閑話休題

で、この小説の何が「ヤバイ」か。

第一巻のあとがきで、作者が言ってました。

 ゆったりまったりゲーマーラブコメたる本作は、楽しんで頂けたでしょうか?

……。

ちょっと待て。
いや、確かに「ラブコメ」ではあるのだろう。……だが。

アンジャッシュのコントを数倍めんどくさくしたような五角関係が描かれるラノベ」がゆったりまったり楽しめると!!!???

読んでて何度「めんどくせえええええええ!!」って思ったことか。
アンジャッシュ知らない人はググってください。

 

 

正直、ちょっとびっくりするレベル。読んでもらわないと分からないと思うけど、よくここまで「スレ違い」をめんどくしたな……これを「コメディ」の意図で描いてるなら軽く狂ってるぞ……

そう思ってると、二巻あとがきでフォローが入りました。

世間の一般的な「ラブコメ」が「ラブの合間にコメディ」だとすると、この「ゲーマーズ!」というシリーズは現状「本気でラブを追いかけた結果なぜかコメディ」という意味での「ラブコメ」になっている気がしております。……お、おかしいな、作者的にはそういうつもりじゃなかったんだけどな……。

私の中で当初「ゲーマーズ!」という作品は、ゲーマー達の平和な日常にちょっぴり切ない恋愛が挟まってくる、超爽やか青春小説として起ち上げたつもりだったような……。

……。

いや、気のせいだな、うん。そんな規格からこんな珍作が生まれるはずないもんな。

自覚通り越して「珍作」って認識しちゃってるよこの人!!!! 

 

確実に珍作だけれども。
こんな面倒なラブコメあってたまるか。
面倒くささが一線超えすぎて笑えるはずのところも苦笑いしちゃうわ。

想像つかない人は5倍くらい面倒くさい状況になったアンジャッシュのコントを想像してください。

でも、オモシロさは保証します。
2巻、びっくりしました。既存のラノベ・ラブコメのアンチ成分が大分入ってる気がする……詳しいことは言いませんが、「超オススメ」とだけ言っておきます。
3巻の展開が凄く気になるような圧倒的展開で2巻は終わりました。
うん、面倒くさいものを面倒くさいままにせず、超展開でぶっ放していくのは凄いと思います。ああ、詳しく言いたいけどネタバレになっちゃう!だから是非読んでみてください!

 

ではまた次の本で。
今回も読んで下さりありがとうございました。

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