諸星悠『空戦魔導士候補生の教官』ーー読んでて恥ずかしくなるラノベを読む
こんにちは、Mistirです。
読書録その6。
諸星悠『空戦魔導士候補生の教官』
なんでこの小説を読んだ!俺!
ワルブレが好きだからだよ!!
と言ってもなんのことか分からない人が大半だと思うので、軽く説明しておく。
聖剣使いの禁呪詠唱というアニメがあった。
禁呪詠唱って書いてワールドブレイクと読みます。
もう一度言います。
禁呪詠唱と書いて。
ワールドブレイクと読みます。
いわゆる「主人公無双系」ではあるのだが、戦闘シーンや端々の描写が妙にシュールな愛すべきアニメで、ハマる人はとことんハマる強烈な魅力があったアニメだ。
で、その『聖剣使いの禁呪詠唱』と全く同じ監督、同じ制作スタジオが作るアニメが『空戦魔導士候補生の教官』で。
僕はそのアニメをニコニコ動画で観るのを楽しみにしてたんだけど……
有料配信だったんですよ。
僕、テレビ持ってないんです。
詰みました。
いや、ぶっちゃけ僕が楽しみにしてるのはニコニコ動画でコメント見ながら観ることなんです。DVDで観たいとか、そういうのではないのです。
……悔しいので、原作を買いました。
で、笑っちゃいました。
これは……スゴイな、色んな意味で。
前置きが長くなりましたが、ここから読書録。
ぶっちゃけ、びっくりするほど「面白くない」です。
途中から結構テキトーに読んでました。
いや、「面白くない」じゃないのかもしれない。
「ベタすぎる」んですよ。
僕、「王道展開」は大好きなんです。
でも、なんか「王道展開」で済まされない何かを感じた。
要は「裏切り者扱いされてる超有能な主人公が、才能のある問題児三人を育てる」、で「三人はタイプの違う美少女」っていう、まー、なんというか……
ああ、最近のライトノベルだ、悪い意味で……っていうそういう本です。
主人公が「有能」っていう意味なら、昔『鋼殻のレギオス』っていうライトノベルを読んだことを思い出すけど、アレはこんなにふざけた感じじゃなかったんだよなぁ。
なんというか、この小説は……
登場人物に、何ら魅力がない。
これが大き過ぎる。
ボロクソ書いてますけど、「違うんだよ!次から滅茶苦茶キャラクター掘り下げられて深くなっていくんだよ!」っていうご意見があれば、是非ツイッターでリプ送るなり、こちらにコメントでも書いてくださいね。それなら読むので。
でも、1巻の段階では本当に何も魅力がない。
うーん……
これが売れるってのは、なんでなんだろうね?
いや、悪口じゃなくて……
この小説は、どういう小説を求めてる人たちにウケてるんだろう?
やっぱり王道展開が好きなら、いけるのか?
もしかすると、僕がラノベを読むには老けすぎているだけ?
いやいや、今読んでも面白いと思うラノベ、たくさんあるよ?
……ああ、そう言えば。
もちろん、僕は『聖剣使いの禁呪詠唱』の原作も読んでます。
正直、そっちもそれほど面白いとは思えないけど、でもところどころ「上手いなぁ」と思うことがある。
こちら『空戦魔導士候補生の教官』にはそういうのが、あまりない。
王道だけど、あまり努力してる感じじゃないし。
唯一の努力系ヒロインの努力描写も正直上手くない。
あと、「可愛げ」がない。主人公無双系はこの「可愛げ」がとても大事なんだけど、全くそれがない。
一応弱点らしきものは後半に判明するんだけど、ファンタジー系の弱点で、どうも実感が伝わらない。
こういう本を読んでいると、「自分との対話」が始まる。
何故面白く無いと感じるんだ?それは主人公が努力していないから?
カタルシスがない、それは何故?
そもそも、何故キャラクターに魅力がない?
ああ、そうだ。
……信念が、無いんだ。
「俺は人々を護る!」とか、そういう系のことは言ってるんだけど……そこに信念を感じない。
最近思うんだけど、僕はけっこうチョロい男なので、「信念を感じるキャラ」がいたらそれだけで作品を高く評価しちゃうことが多い。
……と、こんなふうに考える読書の時間を与えてくれる小説、ではある。
ってことでオススメですよ、『空戦魔導士候補生の教官』。
……アニメ化されたってことは、やっぱりここから「普通の意味で」面白くなっていくのかな。
情報次第では、続きも買います、もちろん。
優先順位としては現状、滅茶苦茶低めかな。
うーん、やっぱりちょっと悪く書きすぎてる気がするぞ。
でもなぁ……やっぱり対象年齢の問題なのか?うーん……
と、ブツブツ考え続けるMistirなのでした。