労働観は変えられる? 糸井重里『はたらきたい。』
こんにちはー、Mistirです。
読書録14
中島義道『働くことがイヤな人のための本』
……間違えた!テヘペロ。
稀代の名著なので是非読んでください。また僕も再読して読書録書きます。
で。
……気の進まない今日の本は、こちら。
糸井重里『はたらきたい。』
興味があって、読みたかった本のひとつ。
うん。面白かった。それなりには面白かったよ。うん。
……でもなぁ。
いや、読む前から分かってた、分かってたんだよ。
「この本には普通のサラリーマンは登場しませんよ!」って。
脱サラして漫画家になったしりあがり寿さんは登場してるけど、基本的に「普通の働いてる人」は出てこない。
「普通の働いてる人って何?」って言われると……上手く言えないけど。でも、元リクルートの人材アドバイザー、漫画家、ミュージシャン、アーティスト、教授、ミュージシャン……という人たちが、僕らの日常に接した「普通の人」とはさすがに言いがたいだろう。
何度も言うけど、面白くない本ではない。
矢沢永吉の言葉なんて、すげえよ。
そのまま読めるので、「ほぼ日 矢沢永吉」で検索して下さい。
……でもなあ。
うん、この気持ちは僕の糸井重里って人に対する感情と、リンクしているのかもしれない。
僕は結構糸井重里って人のことをスゲエって思ってる。
名作、MOTHERシリーズ(有名なゲームです)や『糸井重里のバス釣りNo1』(比較するとマイナーなゲームです)が好きだし、色んな本読んでやっぱすげえって思う。
だけどなぁ。
ときおり、「言ってることがキレイ」で嫌になるときがあるんだよ。
「キレイ事」じゃない。「言ってることがキレイ」なんだ。この二つは微妙に違う。
なんというか、言ってることは「確かに!」と思うんだけど……整いすぎてるんだよ、なんというかさ。
それは「教育的なもの」への嫌悪感かもしれない。
どういう意味かわからない人はほぼ日のサイト見てね。
本書からも引用を。
例えば、最初に対談するリクルートの人(名前は忘れた)はこう言って、糸井さんもそれに同調するんだ。
「人生で一番大事にしてるのは何か」が一番就職で重要
……うーん。
なんかさ、これ聞くと、俺、自分の人生否定された気になるんだよね。
大事にしてるもんなんていっぱいあるよ。例えば美学とか(美学の例:テスト直前、最も忙しい時期、友人にこってり不健康系ラーメンに誘われた場合、何があっても断らない等)。
でも、それだけで生きてるかっつーとやっぱり違うし。
大事にしてるものほど、言葉にできないんじゃねえの?みたいな。
それが就職活動だっていうのなら、やっぱり僕にとって就職活動は害悪でしか無いし。なんかモヤモヤが残る本だ。
これさ。
多分、元々タイトル通り「はたらきたい」人が読む方が良いと思うのよ。
それも……結構強く「働きたい人」が。
僕(ら)みたいな、働くことにそんなに良いイメージだけじゃない人は『働くことがイヤな人のための本』こっち読んだ方がいいよ。
これは本当に名著でさ。中島義道最高傑作だと思う。あ、僕中島義道ファンです。
僕にとってやっぱりまだ仕事は「しゃあないもの」なんだよね。
働きたいという気持ちもあるけど、やっぱ働きたくない気持ちもある。
結構な苦労と、ちょっとした喜びと。
まあ、そんなもんじゃろ、というかなんというか。
そんなもんだからこそ、働くことには楽しさがあるんじゃないか、って。
どーも、そういう「そんなもんじゃろ感」が、この本からは一切感じないのだ。
どうも「ハイソな方々」感が拭えない。アーティストや芸人が「クレジットカード作れない」って、自虐風自慢に聞こえちゃうよ……
いや、そりゃもちろんそういった立場の人たちも苦労してるんだろう。
矢沢永吉なんて、僕の数千倍苦労してる。のかもしれない。
だけどなぁ。
僕らが知りたいのは、それなんだろうか?
うーん。
つまるところ、『はたらきたい。』という本はもう少しノリノリで働けるようになってから読んでもいいかもしれないね。
僕はドライでややアンニュイ系女子なので、ちょっと時間がかかりそうだ。
……僕は女子ですよ?シュレディンガーの女子。
さて。ジム行って筋トレしてこようかな!
ではまた。