Mistir Library

小さな図書館。ひたすら語ります。

有吉弘行『お前なんかもう死んでいる』ーーやりがいの「全否定」を読む

こんにちは、Mistirです。
今回の本は、こちら。

有吉弘行『お前なんかもう死んでいる プロ一発屋に学ぶ50の法則』 

なんていうか、途方もなく「偽悪的」な本である。
ウェイウェイ系の「やりがいを持ちましょう!」だとか、そういった自己啓発やビジネス書に拒絶反応を催す人なら凄くすっと心にしみてくる内容だ。

要するに、相当クズなのである。
どこまで本気で書いているのか分からないけど、なかなか常人には「風俗行くお金を浮かせるために風俗嬢と付き合おうと必死だった」とか書けませんて。

まあ、気楽に読む分にはとても良くて、かつ飾りのない言葉が書いてあるから、読む人次第では凄まじい影響があるかもしれない。
とにかく、良い本ですよ。

……まあ、そういう気楽に読める本としてオススメしたいのですが。
一箇所、あまりにも「鋭い」考え方で、まだ消化しきれない部分がある。

有吉は、「お前らなんかが言ってる『やりがい』は”金物屋のババアの手芸品”と同じだ!!」と言う。

どういう意味か。
金物屋は、何故か潰れない。潰れない店の前で、生きてるのか死んでるのか分からないババアが店番をしている。
もしかしたら、金物屋のババアはスゴイんじゃないか?

世の中は「向いてない」「やりがいがない」とかずっと言ってる人で溢れてる。
そういう連中は、金物屋のババアを見ろ、と。
有吉はそう指摘する。

もしここで金物屋のババアが「やりがい」見つけようとして、タライにポップ付けちゃったり、自分で作った手芸品を店に置いちゃうとカッコ悪いでしょ、と。笑われちゃうでしょ、と。


そうじゃないんだ、と。
そう、有吉は言う。

要するに、「やりがい」なんてそのレベルなのだ。
ババアが作る手芸品とか紙粘土の人形レベルなのだ。

……。
いやー……これは。
凄まじく鋭い気もするけど、同時にあまりにも退廃的過ぎる考え方の気もする。
この指摘は、笑って飛ばせないし否定もできない。
実際その通りの気もするし、そうじゃない気もする。
でも、無視できるような指摘じゃない。きっと徹底的に考えるべきことだ。

僕なりの結論はゆっくり出そうと思う。
やりがいって、なんなんだろうね?

ついでに言えば、最近100円で『どんな仕事も楽しくなる3つの物語』っていう薄い本を買った。
こういう本を定価で買ったというのは、なんというか恥ずかしい。そういうメッセージもこめて「100円で買った」と注釈を付けてるわけだけど……。
まあ、なんというか。やっぱり拒絶反応が出た。
分かってたのに買うのである。読書マゾなのだ。

でも、僕が欲しているのは実はそこ。「仕事がどうやったらできるようになるか」じゃなくて、「仕事がどうやったら楽しくなるか」、あるいは「楽しくなくても全然構わなくなるか」。
有吉はさっきの箇所と別の箇所で、「やりがいがあるとすれば、一日一万円貰えるかどうかだ」とも言ってる。結局カネが全てだ、と。

まあ、それもそうなのかもしれないが。
それはちょっとばかし寂しいなあとそう思うMistirなのでした。

 

『どんな仕事も楽しくなる3つの物語』の読書録は、気分が乗ったら書きます。ブログ開設前に読んだ本なので……。

Mistir Libraryは、amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、 Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。